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太陽光の設置義務化、川崎市で改正条例が可決

太陽光の設置義務化、川崎市で改正条例が可決

2023-03-22

川崎市議会は3月17日、太陽光発電など再生可能エネルギー設備の新築建物への導入義務を含む新制度の創設を含む改正条例を可決した。正式名称は、「川崎市地球温暖化対策の推進に関する条例の一部を改正する条例の制定について」。新築建物への設置義務化の導入は、東京都と同じ2025年4月からになる。


太陽光発電架台

川崎市駅周辺の街並み

(出所:photoAC)

条例改正で創設する再エネ導入義務は以下4つの施策からなる。(1)大規模な建築物を新増築する建築主への太陽光発電施設などの設置義務、(2)中小規模の建築物を市内に年間一定量以上建設する建築事業者への太陽光発電導入義務、(3)建築士に対する説明義務、(4)誘導支援の枠組みの創設の4つの制度から構成される。(5)さらに5つ目の制度として、現行の「事業活動地球温暖化対策計画書・報告書制度(条例報告義務制度)」を見直し、新たな事業者評価・支援制度を創設する。

(1)の制度は、延床面積2000m2以上の建築物を新築・増築する建築主に対して、建築物の規模に応じた再エネ利用設備の導入義務を定める。対象設備は、太陽光発電、太陽熱利用、バイオマス利用、風力発電、地中熱利用など。また、物理的に設置が困難、CO2削減への寄与が見込めないなどの場合、オフサイト型PPA(電力購入契約)モデルや非化石証書によらない再エネ導入量の追加性に寄与する代替措置を認める。

2)の制度は、延床面積2000m2未満の新築建築物を年間に一定程度建築・供給する特定建築事業者に対して太陽光発電設備の導入義務を定める。特定建築事業者の範囲は、太陽光発電設備の新築戸建住宅への6割設置という国の目標を踏まえて設定する。太陽光発電の基準量は、年間供給棟数と棟あたり基準量(設備容量)に算定基準率(%)を考慮して算定する。設置困難などの場合に代替措置を認めるとともに、限定的な除外規定を設けることも検討する。

3)の制度は、新築・増築建築物の設計に携わる建築士に対して、当該設計を委託した建築主に、建築物に設置できる再エネ利用設備の説明を義務付ける。

4)の制度は、地球温暖化防止活動推進センターや専門知識を持つ関係団体、地域エネルギー会社などと連携して、新たな再エネ総合支援の枠組みを構築する。事業者育成として研修・資格取得などを一定条件とした枠組みに参加する事業者に補助制度を活用できるようにする。

5)の制度は、現行制度と同様の、原油換算年1500kL以上使用する事業者・事業所・連鎖化事業加盟者、車両100台以上保有する事業者、CO2以外の温室効果ガスを年3000t-CO2以上排出する事業者を対象に、2030年度CO2削減および2050年カーボンニュートラルに資する評価項目を設定し、計画書・報告書の提出義務を課す。中小規模事業者向けの簡易版制度、評価結果に応じた誘導支援および評価結果の公表も検討する。

2025年4月から太陽光発電設備などの導入義務を定めた制度(1)と制度(2)を施行する。また、義務化に先立ち、2023年4月から誘導支援の制度(4)を、2024年4月から説明義務および事業者評価の制度(3)と制度(5)を施行する。川崎市では、2022年3月に「川崎市地球温暖化対策推進基本計画」を改定した。同計画では、2050年の脱炭素社会実現に向けて、2030年度目標として市域の温室効果ガス排出量を2013年度比50%(1180万t-CO2)削減、市域の再エネ導入量33万kW(330MW)以上を掲げている。



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