営農型太陽光は「自治体主導」、作物には柔軟性
May 8,2026.
農林水産省は4月16日に有識者会議(望ましい営農型太陽光発電に関する検討会)を開催し、これまでに公表してきた「望ましい営農型太陽光発電の考え方」を実現するための制度の方向性を示した。それによると、1月に公表された内容に比べると、「地方公共団体が適否を判断」「遮光率30%未満」などを維持しつつ、「⽶・⻨・⼤⾖が推奨品⽬」との文言がなくなり、作物については柔軟性が増したようだ。
新制度の大きな方向性としては、「農山漁村再生可能エネルギー法」に基づく基本方針を明記して国としての考え方を明確化し、「地方公共団体などが、国の基本方針に沿って望ましい営農型太陽光の適否を判断できるよう関連制度を見直す」とした。最終的な判断は自治体にあることを強調しているのは1月に公表した内容と同じ枠組みになっている。
同省は、1月に開催した有識者会議で、営農者については「栽培品目について⼀定以上の⽣産・販売実績を有している者」、品⽬については「地域で栽培され、販売ルートが確⽴している品⽬(遮光環境下で⼀定の収量が確認されており⾷料安全保障にも資する⽶・⻨・⼤⾖が推奨)」、「原則毎年収穫可能な品⽬」などを挙げていた。また、設備については「遮光率が30%未満」「機械作業に⽀障がないこと(最低地上⾼、⽀柱間隔)」としていた。
4月16日の資料では、営農者については「栽培する品目について50万円以上の生産・販売実績等を有している者」とし、実績を「50万円」と具体化した。品目については、「地域で栽培され、販売ルートが確立」「原則的に毎年収穫可能」は同様だが、カッコ内の「米・麦・大豆」について「推奨品目」という文言が無くなった。設備に関しては、「遮光率が30%未満」のほか、「機械作業に支障がないもの」の基準として「最低地上高3m以上、支柱間隔4m以上」とした。
こうした制度変更は、既存の営農型太陽光案件には遡及しないものの、「再許可時の許可基準に追加する」とし、一時転用許可を更新しない可能性を示した。その基準として、「50万円以上販売実績」「原則毎年収穫可能な品⽬」を挙げた一方、「遮光率30%未満」「最低地上高3m以上、支柱間隔4m以上」については「望ましい取り組み」に留めている。
こうして見ると、営農型太陽光を農山漁村再エネ法の枠組みに入れることで、同法に基づいて設置する協議会を通じて自治体が公認した作物に関しては、「⽶・⻨・⼤⾖」以外でも認められそうだ。これに伴い、作物によっては遮光率30%以上も可能になる道もありそうだ。
一方、「原則毎年収穫可能な品⽬」を「再許可の基準」としていることから、これを厳格に運用した場合、現在、栽培品目として多いサカキやシキミなど観賞用で毎年収穫できない品目については、一時転用が認められなくなることも考えられる。
いずれにせよ、農山漁村再エネ法の枠組みによって、自治体が営農型太陽光の主導権を持つことから、今後、地域によってどのように運用されていくのかが注目される。