国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」を運営するポケットマルシェ(岩手県花巻市)は11月17日、UPDATER(東京都世田谷区)と連携し、ソーラーシェアリング事業および電力小売事業に参画すると発表した。今後は、農地の上に太陽光発電設備を設置し、電気と食材を同時につくるソーラーシェアリングの推進と、生産者のつくった電気の販売を行う。
生産者のソーラーシェアリング導入を支援
ポケットマルシェ登録生産者6,100名(2021年11月時点)に対して、営農と同時に発電を行うソーラーシェアリング導入を支援する。具体的には、助成金などに関する情報提供や、ソーラーシェアリングを導入している農家同士のネットワーキングの促進などを行う。
UPDATER が手がける再生可能エネルギー事業「みんな電力」の取り次ぎとして、個人向けに電気の販売を開始する。食材を直接購入している生産者から、電気も購入することを可能にし、『誰から買っているのか』が可視化された消費行動を後押しする。2022年度中に5,000世帯への導入を目指す。
ポケットマルシェ社は、「電気」を食と同様に、生活に欠かすことができないものとして捉え、つくり手の顔やストーリーが見えることにより、消費者は自らが価値を感じるものを選択し、残していくことが可能になると考えている。地方と都市をつなぐ新たな関係性を構築し、生産者の顔が見えて地方の価値が最大化される社会をつくるため、今回、電力事業への参入を決めた。
同社は現在、6,100名の登録生産者と41万名のユーザを抱える産直アプリ「ポケットマルシェ」を通じて、生産地である地方と消費地である都市、そして生産者と消費者を「食」でつなぐための活動を続けている。
なおソーラーシェアリングとは、農地に支柱などを立てて、その上部に設置した太陽光パネルを使って日射量を調節し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組み。営農を続けながら、農地の上部空間を有効活用することにより電気を得られるため、生産者にとっては農業経営をサポートするというメリットがあるほか、耕作放棄地の活用にもつながるとして注目を集めている。