経済産業省は7月12日、新エネルギー発電設備事故対応・構造強度ワーキンググループ(WG)の会合を開き、事業用低圧太陽光の技術基準の見直しなどに関して議論し、「仕様規定化」「土砂流出の防止」に関して、具体的な法規制の改正案を示した。
同WGでは、これまでの会合で、連系出力50kW未満の事業用低圧案件のなかに、安全上、必要な性能を満たしていないケースがあることが指摘され、その対応の方向性として、部材・設計・設置方法などの「仕様」を定め、それを原則化することを検討してきた。
これを受け、12日の会合では、「電気設備の技術基準の解釈」(電技解釈)に関し、2つのテーマでの改正案が示された。1つは、新たにアルミニウム合金製架台の仕様を例示し、これを「規定化」した。もう1つは、新たに「敷地の土砂流出などを防止する措置を講ずること」を条文に盛り込む。
具体的には、第46条第3項にアルミ架台の仕様を例示し、第200条第2項第二号で、第46条第3項に従って施設することを規定する。これにより、実質的な「仕様規定化」となる。ただ、電技解釈前文の規定により、「第46条第3項と同等以上の保安水準を確保できる明確な技術的根拠があれば、同項に従わない設計を否定するものではない」としている。
「土砂流出の防止」に関しては、「土地に自立して施設される太陽電池発電設備の支持物の施設による土砂の流出または崩壊を防止する措置を講じること」との条文を新設する。具体的な条文の追加場所は今後、検討するとしている。こちらに関しては、サイトごとに状況が大きく異なるため、排水溝や調整池の設置、法面へのコンクリート吹き付けなど、適用する手法や技術については、事業者の判断に任せることになる。
会合で示した改正案に関して、委員から了承を得られたことから、経産省では、今後、パブリックコメントを経て、改正の手続きを進めたいとしている(関連記事:経産省、事業用低圧太陽光を「立ち入り検査」、今後、改善命令も)。