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FIT・FIP価格、初の引き上げへ、2024年度「屋根設置」区分新設で

FIT・FIP価格、初の引き上げへ、2024年度「屋根設置」区分新設で

2023-01-06

経済産業省は12月26日、調達価格等算定委員会を開催し、太陽光発電の2024年度に適用される調達価格・基準価格について討議した。

 固定価格買取制度(FIT)の調達価格、フィード・イン・プレミアム(FIP)の基準価格は、これまで一貫して引き下げられてきたが、事業用太陽光については、新たに「屋根設置」区分を新設し、2023年度の9.5円/kWh(50kW以上の入札対象未満)よりも高い価格が適用されることになりそうだ。

屋根設置太陽光発電

屋根設置の太陽光は、地上設置に比べてパネルの調達費が高く資本費が上昇傾向になっている

(出所:経産省)



 来年度(2023年度)における事業用太陽光の調達価格・基準価格については、すでに決まっており、一定規模以上は入札制、50kW以上入札対象未満は9.5円/kWh、10kW以上50kW未満で地域活用要件(自家消費か営農型)を備えた案件は10円/kWhとなっている。

 2024年度については、低圧と高圧を一律とした「10kW以上の屋根設置」区分を新設して入札対象外とし、「10kW以上50kW未満の地上設置」(地域活用要件の低圧事業用)、「50kW以上入札対象未満の地上設置」とは別の調達価格を設定する方向が示された。

 26日の委員会では、2024年度における調達価格・基準価格を算定する際のコスト想定を公表した。それを見ると、「10kW以上の屋根設置」のシステム費用は15.0万円/kW、設備利用率14.5%と、「2023年度・50kW以上」(調達価格9.5円/kWh)区分のシステム費用11.7万円/kW、設備利用率17.7%に比べると投資効率が下がる方向になっていることから、調達価格は9.5円/kWhより高くなり、10円台に引き上げられることはほぼ間違いない。

 一方、2024年度の「50kW以上の地上設置」のコスト想定は、システム費用は11.3万円/kW、設備利用率18.3%と、2023年度の50kW以上区分に比べると、投資効率が上がる方向性になることから、調達価格は9.5円/kWhよりにさらに引き下げとなりそうだ。

 2024年度・10kW以上屋根設置の調達価格が、2023年度・50kW以上区分よりも高くなった場合、2023年度の認定取得が停滞する恐れがあることから、2023年度下半期の調達価格・基準価格には、2024年度の価格を適用するとの方針も示した。

 また、26日の委員会では、低圧事業用太陽光のFIP対象化についても方向性が示された。現在、低圧事業用太陽光は地域活用要件を満たした場合、FITによる売電が認められているが、一定の要件を満たした場合、FIPの対象とする。要件とは、(1)電気事業法上の発電事業者であること、(2)直接の契約関係に基づき、電気事業法上の小売電気事業者・登録特定送配電事業者・特定卸供給事業者に供給していることーーのいずれかを満たすこととした。

 低圧事業用太陽光のFIP対象化の背景には、すでにコーポレートPAA(電力購入契約)モデルで複数の低圧サイトを開発する動きが活発化しており、こうした事業モデルにFIPを適用できるようにする狙いがある。

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