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傾斜地・営農・水上設置型太陽光のガイドライン、NEDOが2023年度版

傾斜地・営農・水上設置型太陽光のガイドライン、NEDOが2023年度版

2023-05-11

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4月28日、「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2023年版」を策定し公開した。傾斜地設置型、営農型、水上設置型という3種類の特殊な設置形態に対応した。2021年版に実証実験結果などを反映し、さまざまな設置形態への適用性をより向上させた。

ガイドライン

今回公表されたガイドラインの位置づけ
(出所:NEDO)


 近年、太陽光発電の建設に適した場所の減少に伴い、傾斜地や農地、水上へと太陽光発電の設置環境が拡大している。こうした特殊な設置環境での太陽光発電は、一般的な地上設置型より設計や施工上の難易度が高いため、電気事業法や地方自治体の条例などにおいても設置に対する安全対策が求められている。

 こうした背景からNEDOは「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版」に、特殊な設置環境の構造設計、電気設計・施工の項目を加えた「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2021年版」を2021年11月に公開した。

 今回、産業技術総合研究所(産総研)、構造耐力評価機構、太陽光発電協会(JPEA)、八千代エンジニヤリング、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、キョーラク、北見工業大学、再委託先の防災科学研究所、大阪公立大学、北海道科学大学による調査、実証実験の結果を踏まえ、ガイドラインを改訂した。

 傾斜地設置型の2023年版では、傾斜地における風速増加による風荷重や積雪荷重が、太陽光パネルや架台・基礎に与える影響について、実験やコンピューターシミュレーションの解析結果をもとに、設計方法を反映した。また、寒冷地における凍上現象の影響を実証実験で確認し、対策方法を反映した。

 営農型の2023年版では、営農型太陽光発電設備の傾斜角や遮光率、設置形態の違いによる風荷重が架台や基礎に与える影響などについて、風洞実験などをもとに設計方法を反映した。

 水上設置型の2023年版では、波や風による荷重が架台フロートや固定・連結器具に与える影響について、実システムや屋内水槽実験などをもとに設計方法を反映した。また、コネクター水没時の絶縁性能の変化などの測定結果をもとに、配線方法などを反映した。

 このほか、参考となる技術情報や、実証実験の結果を同ガイドラインの技術資料として整備した。NEDOは、今後も傾斜地設置型・営農型・水上設置型などの実証実験を行い、太陽光発電設備の安全確保のための技術資料などの策定を進めていく。

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