東急不動産など12社は2月10日、埼玉県東松山市にあるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を中心とした農業と再生可能エネルギーを両立する実証施設「リエネソーラーファーム東松山」において、共同で実証実験を開始すると発表した。
リエネソーラーファーム東松山
2022年12月28日に稼働した「リエネソーラーファーム東松山太陽光発電所」を用いて、効率的な開発および運営手法の研究、最適な発電量を確保するための検証、作物の生育データの収集・分析を通じた収穫高や栽培品質に影響の少ない営農の実証など、さまざまな実証実験を行う。さまざまな関係者と協働することで未来の「技術発展」「事業拡大」「地域連携」を進める参加型の実証事業を目指す。
(出所:東急不動産)
主な実証内容は、「水田での杭架台の標準化」「最適な農作物、栽培方法の検証」「効率的なパネル配置検証」「ソーラーシェアリングを通じた地域共生」「農機と杭架台の最適設計架台活用による農業効率化」「蓄電池およびV2Xの自家消費・BCP・電力調整への活用」など。
イメージ(出所:東急不動産)
同発電所は、太陽光パネルの出力が378.78kW、連系出力が248kW。発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)に依存しない非FIT電源として、小売電気事業者を通じて東急不動産の「渋谷ソラスタ」を含む東京都渋谷区の8物件に供給する。
TENOHA東松山」
事業地は、市街化調整区域内の農用地区域(青地)で、埼玉県および東松山市農業委員会から農地転用許可を取得済み。営農者は個人農家で、コメ、ニンジン、ブルーベリー、エダマメなどを栽培する。6月から営農を開始した。
また、同実証の取り組みのひとつとして東急不動産は、同発電所の近隣にカフェやコワーキングスペース、イベントスペースとして多様な使い方ができる地域共生プロジェクト施設「TENOHA東松山」を2022年12月18日に開業した。既存建物のリノベーションを行い、同発電所と合わせた参加型実証施設となるよう全体計画を進めていく。
参加企業は、東急不動産、リエネ、エクシオグループ、オムロン ソーシアルソリューションズ、佐勇、ジンコソーラージャパン、ふみさん農園、丸紅メタル、ユー・シー・エル、リニューアブル・ジャパン、JDSC、Sungrow Japan。