製品評価技術基盤機構(NITE)は8月25日、台風による太陽光発電所の電気事故について注意喚起した。太陽光発電設備は屋外に設置されるため自然災害による事故が多く発生しており、また台風の正確な予測は難しく局所的に大きな被害が発生する恐れがあるため、日頃から対策を行うことが重要と呼びかけている。 全国の自家用電気工作物における自然災害に起因した電気事故は、2020年度から2025年度の6年間で合計332件報告されており、そのうち太陽光発電所での事故が261件と突出して多かった。太陽光発電設備は設置場所が屋外であり、設置面積が広いことから、天候の影響を受けやすいと考えられる(図1)。 図1●電気工作物別、自然災害事故の発生件数 2020~2025年度(出所:NITE) クリックすると拡大した画像が開きます 太陽光発電所の自然災害事故に占める台風の割合は高くないが、9月は台風に起因した事故が最も多くなる。また、台風起因の電気事故の36.0%が敷地外へのパネル飛散や高台からの土砂流出により、第三者の物件に被害を与えていた。自然災害事故全体の7%と比較して、台風では第三者物件に被害を与える割合が高い傾向が見られる(図2)(図3)。 図2●太陽光発電所における自然災害事故の月別発生状況 2020~2025年度。自然災害のうち季節性が明確でない「地震」以外の243件が対象。台風により発生した雷、風雨、水害、山崩れの電気事故は「台風」として計上した(出所:NITE) クリックすると拡大した画像が開きます 図3●太陽光発電所の電気事故のうち第三者の物件に被害を与えた事故の割合、および太陽光発電所の事故に占める物損等事故の割合 2020~2025年度。電気関係報告規則第三条で3号に該当するような事故、構外へのパネル飛散や土木流出など、第三者の物件に被害を与えた事故を指す(出所:NITE) クリックすると拡大した画像が開きます 具体的な台風事故事例については、2025年9月に商業施設の屋上に設置された太陽光パネルの外れ、割れ、ケーブル断線が発生。定例点検で目視検査を行っていたが、想定を超える強風により損壊したと推定される。また、2024年8月に台風接近時の竜巻などの突風により太陽光パネルと架台が破損。2022年9月に台風に伴う大雨のため発電所最下段に設置されるパワーコンディショナー(PCS)とパネルが水没、後日PCSが出火した。 NITEは、2021年度から太陽光発電所を中心に電気事業法に基づく立ち入り検査を実施している。2021年度〜2025年度には、延べ224事業場への立ち入り検査で、台風被害が発生するリスクが懸念される「太陽光パネルと固定金具の隙間が多数確認」「ナットの脱落およびボルトのゆるみが確認」「横材(パネル受け材)の一部損傷およびパネル押さえ金具の一部脱落を確認」「保安規定に定める防災体制が整備されていない」などの指摘事例があった(図4)。 図4●太陽光パネル架台のボルト緩み例 (出所:NITE) クリックすると拡大した画像が開きます このほかにもNITEの発表では、太陽光発電所の台風事故リスクを低減するための対策ポイントをまとめている。台風接近に備えた事前の確認事項として「気象情報」「連絡体制の整備」「排水経路認」「土砂流出・地盤崩壊リスク」を挙げている。設備についての確認事項は「飛散対策」「破損状況の点検」「固定状況の点検」を示した。台風通過後の対応として「安全確認」「臨時点検」「迅速な応急処置」「被害が生じた設備の修理・改修」「二次被害の防止」を挙げた。...
続きを読む
【お客様への感謝の意】 この度、UIソーラーは、千葉県における3MW規模の大型営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)プロジェクトにおいて、架台一式を受注いたしました。 数あるメーカーの中から弊社をご指名いただいた千葉県のお客様に、心より深く感謝申し上げます。本プロジェクトの成功に向け、全力を挙げてサポートしてまいります。 なぜUIソーラーの営農型架台が選ばれるのか? 日本国内の営農型プロジェクトにおいて、最大の難所は経産省(METI)や農業委員会による厳しい審査です。 UIソーラーが選ばれる理由は、単なる製品力だけでなく、長年の経験から生まれた「審査対応のノウハウ」にあります。 1. デザイナーによる「質疑応答データベース」の活用 弊社の設計チームは、これまで日本全国の行政機関から受けた数百件の質問や指摘事項を独自に集計・分析しています。 知見の蓄積: 審査官が注目する「強度の妥当性」や「営農継続性」のポイントを熟知しています。 先回り設計: 過去の審査傾向に基づき、あらかじめ指摘を受けにくい構造設計を行うことで、お客様の申請期間の短縮と差し戻しリスクの低減に貢献します。 2. JIS C 8955に準拠した「エビデンス」の提供 全ての設計は、日本のJIS C 8955に厳格に準拠しています。高度な解析ソフトを用いた構造計算書は、そのまま行政への提出資料として使用できるクオリティを維持しており、技術的な信頼性を担保します。 Q&A:UIソーラーの豊富的な実績と対応力 Q:営農型架台の経験はどのくらいありますか? A: UIソーラーは2013年から日本市場で営農型架台を手掛けているパイオニアです。10年以上の歴史の中で、積雪地域から台風の多い沿岸部まで、多種多様な環境下での施工実績があります。 Q:今回の千葉県3MW案件の特徴は? A: 大規模農地に最適な「鋼アルミ複合構造」を採用しています。 総パネル枚数: 17,430枚 構造的特徴: アルミニウムの耐食性と鋼材のコストパフォーマンスを両立。 設計の工夫: 農機の走行ルートを考慮した背高設計と、日照量を最適化するパネル配置を実現。 【今後の展望】 UIソーラーは、培ってきた独自のノウハウと確かな製品を通じて、日本の農家の皆様の所得向上と、再生可能エネルギーの普及を支援してまいります。営農型プロジェクトの申請や設計でお困りの際は、ぜひUIソーラーにご相談ください。
続きを読む
パシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)は7月28日、長野県内のダム貯水池を対象に、ペロブスカイト太陽電池など複数の太陽光パネルを活用した水上太陽光発電設置の実証事業を開始すると発表した。環境省の令和8年度「水インフラの空間ポテンシャル活用型再エネ技術実証事業」に採択された。 実証では、常時設置する(浮かべる)フレームタイプ、洪水時などの異常時に撤去するいかだタイプの2種類の架台を用いる。大水深かつ大きな水位変動のあるダム貯水池における水上太陽光発電の適用可能性を検証するとともに、設計・施工・維持管理における技術的課題の解決を目指す。 太陽電池の種別、設置枚数、メーカーなどは現在検討中。ペロブスカイト・薄膜シリコン(アモルファスシリコン)・結晶シリコンの3種類の太陽電池を想定し、一般化することを考慮してそれぞれ流通量の多いサイズを用いる予定。フロート架台とEPC(設計・調達・施工)サービスは、東和アークス(さいたま市)が協力する。 2027年4月に設置し、実証期間は同年4月〜12月の予定。実証を通じて、ダムなどの水インフラ空間を活用した再生可能エネルギー導入モデルの構築を目指す。ダム貯水池への適用性が認められれば、全国の多目的ダムなどの内水面における再エネ導入の推進に加え、港湾など未利用水面への応用も期待されるとしている。 これまでもパシフィックコンサルタンツは、環境省の「水インフラの空間ポテンシャル活用型再エネ技術実証事業」、および愛知県の「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」の一環として、愛知県幸田町の菱池遊水地の堤防法面において、ペロブスカイト太陽電池など太陽光発電設備の実証実験を2025年7月〜2026年3月に実施している。
続きを読む
JFE商事(東京都千代田区)は7月14日、農業ハウス内の構造体に太陽光パネルを吊り下げる同社独自の「垂直懸下式」を採用した営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の実証実験を開始したと発表した。 茨城県常陸大宮市のイチゴ農家hiko farm(ヒコ ファーム)の協力のもと、イチゴを栽培するハウス内に軽量で柔軟性のある太陽光パネルを吊り下げ、発電した電力をハウス内の冷暖房や各種栽培管理に活用する。さまざまな種類や枚数の太陽光パネルを検証する。 イチゴ栽培ハウス内に吊り下げた太陽光パネル (出所:JFE商事) 垂直懸下式は、ハウスの構造体を用いるため追加の架台などを必要としないのが特徴。また、太陽光パネルの角度調整が簡便で、作物に好ましい日射条件を作りつつ発電できる。太陽光パネルの影による遮光で高温対策などの日射調整も可能という。発電した電力を自家消費することで、電気代と環境負荷の低減が期待できる。 同実証は、鉄鋼関連企業であるJFF商事にとって農業分野へ参入する取り組みとなる。経済合理性のある現実的な農法とするための課題として、設置コストの低減や生育状況に応じたパネル受光角度の最適化、発電に不利なハウス内設置においていかに多くの電力を得るかなどがあり、それらの実現性と妥当性を検証する。
続きを読む
太陽光発電架台のリーディングカンパニーであるUIソーラーは、2026年6月、パレスチナにおける15MW規模の大規模地上設置型プロジェクト向けに、 同社の主力製品である「ST5」地上設置型架台システムの納品を無事完了したことをお知らせいたします。 ■ 大型プロジェクトに最適化された「ST5」システムの強み 今回採用された「ST5」システムは、大規模発電所に求められる経済性と高耐久性を両立したZAM架台です。 超高出力モジュールへの完全対応:最新のSNEC 2026でも主流となった700W〜800W級の超高出力モジュールに対し、独自の構造計算に基づいた強度設計により、安定した設置を可能にしています。 優れた施工性:高度なモジュール設計と工場での一部事前組み立てにより、現場での作業時間を大幅に短縮。人手不足が課題となる市場においても高い評価を得ています。 JIS規格・高耐久仕様:日本のJIS規格にも準拠した高品質な溶融亜鉛メッキ処理を施しており、過酷な環境下でも25年以上の長期にわたって安定した性能を維持します。 ■ 変動する世界情勢と物流への対応 現在、紅海情勢の影響による海上運賃の上昇が続いていますが、UIソーラーでは長期契約を締結しているお客様に対し、 早期の「価格固定」と「計画的な分納」を提案することで、コスト増加のリスクを最小限に抑えるトータルソリューションを提供しています。 ■ UISolarの展望 SNEC 2026 Shanghai PV Expoで確認された通り、太陽光業界はTOPConやBC高効率モジュールの普及とともに、 さらなる大出力化が進んでいます。UISolarは今後も、今回完遂した15MWプロジェクトの経験を活かし、ST5合金メッキ鋼材架台システムの提供を通じて、 日本をはじめとする世界各国のクリーンエネルギーへの転換に貢献してまいります。 UIソーラーは、15年以上に太陽光発電架台の業界に深く携わっており、開発・設計・製造・販売を一体化したハイテク企業です。 取引先は世界60カ国以上に及んでいます。2012年より日本市場に進出し、現在までに日本での実績は累計で約3GWに達しております。 メイン製品:野立て地上架台、営農型太陽光架台、駐車場架台、陸屋根架台、折板屋根架台、垂直架台、フェンス、防草シートなど。
続きを読む
京セラコミュニケーションシステム(KCCS、京都市)は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入・施工を開始する。6月8日、滋賀県と福岡市から導入委託事業を受注し、各施設での設置工事に着工すると発表した。 積水ソーラーフィルム(大阪市)製のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を採用し、折板屋根に対して掴み金具などでフィルムタイプのモジュール(太陽光パネル)を設置する。積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、3月からフィルム型ペロブスカイト太陽電池「SOLAFIL(ソラフィル)」事業を開始している。 京セラコミュニケーションシステムは、太陽光発電設備設計から資機材調達、建設工事、保守までワンストップで提供できる総合力、および新技術に対応する施工力が評価されたと説明する。なお両自治体とも、環境省の「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業)」に採択された事業になる。 設置場所と出力、着工は以下になる。滋賀県は、八幡工業高校、守山北高校、琵琶湖博物館の3施設に導入する。八幡工業高校は体育館屋根に出力12kWを設置する。着工は6月8日、竣工は7月中旬の予定。守山北高校は体育館屋根に出力12kWを設置する。着工は7月下旬、竣工は8月下旬の予定。琵琶湖博物館はうみっこ広場に出力5kWを設置する。着工は8月下旬、竣工は9月下旬の予定。 福岡市は、高宮中学校、老司小学校、原西小学校の3施設に導入。高宮中学校は体育館屋根に出力9.24kWを設置する。着工は6月12日、竣工は7月下旬の予定。老司小学校は体育館屋根に出力7.92kWを設置する。着工は7月下旬、竣工は8月下旬の予定。原西小学校は体育館屋根に出力7.92kWを設置する。着工は8月下旬、竣工は9月下旬の予定。
続きを読む
太陽光発電や設備工事などを手掛けるヤブシタエネシス(札幌市)は、架台構造と施工方法を見直して低コスト化した壁面設置型太陽光架台「S-LINE(エスライン)」を展開している。壁面設置のニーズが高まっており、問い合わせ件数が急増しているという。 S-LINEは、壁面に設置したベースフレームに太陽光パネルを差し込む形で固定するスライド式固定構造を採用することで、鋼材使用量の抑制と施工工程の簡素化を両立した。従来の壁面架台は鋼材を井桁状に組む構造が主流で使用鋼材が多く、さらに太陽光パネルを裏側からボルトで固定する必要があり手間と時間が掛かっていた。 S-LINEの架台構造 (出所:ヤブシタホールディングス) 住宅向けの設置では10枚5kW程度、大規模工場向けの設置では1000枚500kW程度を想定する。同社の試算によると、従来の井桁式にと比較して総コストは約33%削減、投資回収期間は最大5年短縮できる。従来は10年以上かかるのが一般的だった壁面太陽光において、10年を切る投資回収が現実的な選択肢になると説明している。 S-LINEの施工事例 (出所:ヤブシタホールディングス) 2023年9月に発売した。リリース当時はまだ壁面設置の認知が少なく、同社の現在までの壁面設置の施工実績は27件、うち5件でS-LINEを採用している。その一方、近年は壁面設置のニーズが高まっており、直近3カ月の問い合わせ件数が約50件と急増している。 UIソーラーは、15年以上に太陽光発電架台の業界に深く携わっており、開発・設計・製造・販売を一体化したハイテク企業です。 取引先は世界60カ国以上に及んでいます。2012年より日本市場に進出し、現在までに日本での実績は累計で約3GWに達しております。 メイン製品:野立て地上架台、営農型太陽光架台、駐車場架台、陸屋根架台、折板屋根架台、垂直架台、フェンス、防草シートなど。
続きを読む
農林水産省は、2026年4月、有識者会議「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」において、制度見直しの方向性を発表しました 。今回の見直しは、令和7年12月に閣議決定された「大規模太陽光発電事業に関する対策パッケージ」に基づき、農業との両立が図られる「望ましい取組」を明確化し、不適切な事案に対して厳格に対応することを目的としています 。 これまでは「農地法」のみで判断されてきましたが、新たな制度では「農山漁村再エネ法」に基づく基本方針に国としての考え方を明記します 。地方公共団体がこの方針に沿って適否を判断できるよう関連制度を改正し、営農型太陽光発電の適正化を図るとしています 。 具体的には、農地の一時転用許可の条件として、再エネ法に基づく「設備整備計画」の認定を受けることを位置づけます 。これにより、単なる売電目的ではない、地域と共生した事業の導入を促進する仕組みとなります 。 「望ましい営農型太陽光発電」の具体的要件 本検討会では、営農型太陽光発電のあるべき姿として、具体的な形状や形態の基準が示されました。まず、下部農地における農作物の収穫量(単収)について、同一市町村内の平均的な単収と比較しておおむね2割以上減少するおそれがないことが大前提とされています 。 設備面では、遮光率を原則として「30%未満」に抑える必要があります 。また、トラクターなどの農業機械の作業に支障をきたさないよう、最低地上高を概ね3メートル以上、支柱の間隔を概ね4メートル以上確保することが求められます 。 営農者については、地域の10年後の農業を担う者として「地域計画」に位置づけられていることが条件となります 。加えて、栽培品目において年間50万円以上の生産・販売実績を有していることなど、業としての持続性が確保されているかどうかが厳格に確認されます 。品目は原則として毎年収穫可能なものとし、市場価値が認められないものを発電事業者が買い取るような不適切なケースは排除される方針です 。 市町村特例の導入と既存事業者への監視強化 今回の見直しの大きな特徴は、地域の実情に応じた「市町村特例」の創設です。科学的根拠に基づき基本理念の着実な実現が確保される場合には、国や都道府県の助言に基づき、市町村が農業経営の特色や多様性に応じて特例的な対応を定めることができるようになります 。これにより、画一的な基準では対応できなかった地域独自の優良な取り組みを支援します。 一方で、既存の事業者に対する監視体制も大幅に拡充されます。不適切事案の取り締まりを強化するため、国が都道府県と一体となって行う現地調査の対象面積を、従来の4ヘクタール超から2ヘクタール超へと引き下げます 。 また、毎年度提出される栽培実績報告に加え、衛星データも活用して不適切な案件を捕捉する仕組みを導入します 。是正指導や勧告に従わず、改善が見られない場合には、再許可申請を不許可とする運用方針を明確化しています 。一時転用許可の期間を短縮することで、チェックの頻度を高める措置も盛り込まれました 。...
続きを読む